お子様を砂場で遊ばせるのは、創造性や運動能力を育む大切な時間です。しかし、親御さんにとって常に頭を悩ませるのが、「この砂は本当に安全だろうか?」という不安ではないでしょうか。
ホームセンターで売られている砂から公園の砂場まで、一見同じように見える砂にも、実は「遊びに使える安全な砂」と「使わない方がいい砂」が明確に存在します。
私たちは建設用の骨材を長年扱ってきたプロとして、砂の成分、粒子の特性、衛生面に関する知識を持っています。
この記事では、骨材業界歴10年以上の私が、砂場用として最適な砂の選び方と、あなたの地域では使用されているかもしれない「除塩済みの海砂」の真実について詳しく解説します。この記事を読めば、もう砂選びに迷うことはありません。
1.プロが教える!砂場に「使って良い砂」と「ダメな砂」の決定的な違い
砂場に使用する砂を選ぶとき、値段や見た目だけで判断するのは非常に危険です。「安全基準」と「衛生面」の2つの観点から、砂の原料と加工法をチェックする必要があります。
骨材のプロが推奨する「使って良い砂」と、避けるべき「使わない方がいい砂」の決定的な違いを見ていきましょう。
1-1. 使って良い砂(推奨)
安全な砂は、必ず衛生処理と粒子の角を落とす処理が施されているという特徴があります。
抗菌砂
高温で殺菌処理された後、抗菌剤が配合された砂です。衛生面のリスクを軽減できます。
園芸用川砂(洗い砂)
泥分や不純物を洗い流したもの。川の流れで自然と粒子の角が丸くなっているため、子供の肌を傷つけにくいという利点があります。
特定規格の砂場用砂
遊具用として安全性や粒度が保証されている製品です。品質が安定しており、安心して使用できます。
除塩済みの海砂
塩分を徹底的に洗い流したものです。地域によっては使用されますが、それに伴う課題については次章で詳しく解説します。
1-2. 使わない方がいい砂(リスクのある砂)
以下の砂は、子供の健康や遊具の劣化に悪影響を及ぼす可能性があるため、砂場への使用は推奨できません。子どもの安全や衛生面を考えると、避けた方が無難です。
未処理の海砂
塩分が含まれています。皮膚への刺激や、金属製の遊具のサビを促進する塩害を引き起こします。
山砂(真砂土・単なる土)
粘土質が多く水はけが悪いうえ、土壌菌、病原菌、小さな虫の卵などが残っている可能性が高く、衛生面でリスクがあります。
粒度の粗い砕砂
岩石を砕いて作った砕砂は、粒の角が鋭利です。子供が転んだりした際に怪我をするリスクが高く、遊び砂としては不向きです。
2.【プロ視点】「除塩済みの海砂」は本当に安全か?
除塩済みの海砂は、地域によっては砂場用として勧められます。骨材の専門的な視点で見ると、除塩処理によって塩害のリスクは解消されるため、未処理の海砂よりは格段に安全です。
2-1. 除塩処理で解決する課題(プロがOKを出す部分)
除塩処理を行うことで、塩分によるサビや肌への刺激のリスクはなくなります。この時点で、未処理の海砂の最大の欠点は解消されたと言えます。また、洗浄・乾燥工程によって衛生面も向上します。
2-2. 除塩海砂に残る最大の課題:貝殻の賛否両論
除塩済みの海砂でも避けられないのが、貝殻やサンゴの欠片の混入です。
- 懸念の声(安全優先): 鋭利な貝殻の破片で子供が怪我をするリスクが残ります。
- 肯定の声(遊び優先): 貝殻探しが遊びになり、子供の好奇心を刺激するというメリットがあります。
結論として、砂場の安全性に完璧を求めるならば貝殻のない川砂や抗菌砂を選び、遊びの要素を重視するならば除塩済みの海砂も選択肢に入ります。(実際、海水浴場で砂遊びするのと変わらないと思います)
「実際、弊社では除塩済みの海砂を、保育園に納入しています。これは、造形遊びに適しているという評価からです。」
※ 採用基準は園や自治体ごとに異なります。あくまで一例としてご参考ください。

2-3. 除塩済みの海砂を選ぶ際のプロからの注意点
- 「除塩済み」の証明を確認: 販売元から「除塩済みであることの証明書やデータ」を提示してもらうことが重要です。
- 貝殻の少ないものを選ぶ: 海砂は採取地によって粒度や貝殻の量が違います。販売元に出向いて目で見て選ぶことをお勧めします。
3.「安全な砂」を選ぶ3つのチェックポイント
実際にホームセンターなどで砂を選ぶ際、親御さんが確認すべき3つのチェックポイントです。
3-1. 粒度(触感)のチェック:怪我のリスクと遊びやすさ
- 遊びやすい粒度: 0.5mm~2.0mm程度の、細かすぎず粗すぎないものが最適です。
- 角が丸いかを確認: 触ってみて、角が鋭利でなく、肌を傷つけにくいかを確認しましょう。川砂や海砂(除塩済み)は、比較的角が丸いものが多いです。
3-2. 抗菌・殺菌処理の有無:見えないリスクの排除
- 「抗菌」「殺菌」表示の重要性: 動物の排泄物などから雑菌が繁殖しやすいため、抗菌加工や加熱殺菌(キルン処理)がされている砂を選ぶことで、衛生面のリスクを低減できます。
3-3. 成分と製造元の確認:不純物と出所の明確さ
- 泥(シルト)の混入: 「洗い砂」や「洗浄済み」と記載されているものを選び、泥分が少なく、雨が降っても固まりにくいクリーンな砂を選びましょう。
4.砂場を清潔に保つためのメンテナンス術と処分方法
4-1. 衛生管理の基本は「動物の侵入防止」
- 砂場カバーの徹底: 使わないときは必ず専用のカバーや防水シートで砂場全体を覆い、猫などの動物の侵入を防いでください。
- 日光消毒の活用: 天気の良い日にはカバーを開け、砂を掘り起こして日光に当て、紫外線による殺菌効果を活用しましょう。
【プロの豆知識:保育園の砂場が安全な理由】 多くの自治体や施設管理マニュアルでは、
「週に一度の掘り返し」や「30cm以上の厚み」が目安として推奨されることが多いです。
現場で砂を納入する際も、この「30cm」という数字を意識して数量を計算します。ご家庭で砂場を作る際も、「表面をなでるだけでなく、たまに底からガサッと掘り返してあげる」のが、最も安くて効果的なメンテナンス方法ですよ。
4-2. 砂の交換(入れ替え)時期の目安
- 交換の目安: 衛生面を考慮し、一般的には2〜3年での全量入れ替えが推奨されます。砂の状態にもよりますが、現実的には砂は風で飛んだり子供たちが遊ぶことで減っていきます。定期的に追加されることがほとんどです。
4-3. 砂の処分方法:プロから見た注意点
- 砂は「産業廃棄物」または「不燃物」: 大量の砂は、自治体で回収されないことがあります。
- プロからのアドバイス: 少量の場合は自治体のルールに従い、大量の場合は造園業者や建設業者に相談し、適正に引き取ってもらうのが最も確実な方法です。
5. 自宅の庭に砂場を作る際の必要な量について
本格的な砂場
「お庭に本格的な砂場(例:2m×2m×深さ25cm程度)を作るなら、約1㎥(1立米)の砂が必要です。この量を自力で運ぶ場合、一輪車(ネコ)で20回〜30回もの往復が必要になります。直接ダンプで砂場横まで横付けできない場合は、かなりの重労働になることを覚悟しておきましょう!」
簡易的な砂場
「衣装ケースやコンテナを利用した簡易砂場なら、40kg(20kg袋×2つ)程度で十分遊べます。まずはここから始めて、お子様のハマり具合を見て本格的な砂場を検討するのが、骨材屋としてのリアルなアドバイスです。」
まとめ
子供の遊びと安全を両立させる砂選びは、骨材の品質を理解している私たちプロの視点から見ても、非常に奥深いものです。
- 安全の優先: まずは、抗菌処理や洗浄が施された「遊び砂」「川砂」を選びましょう。
- 快適性の維持: 砂場カバーや定期的なメンテナンスで、衛生状態を長く保ちましょう。
この情報が、あなたの安全で楽しい砂場づくりに役立つことを願っています。
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筆者プロフィール
この記事を書いた人:骨材屋のまさ
- 骨材業界歴10年以上
- 砕石・砂利・砂の調達と品質管理担当
- 2級土木施工管理技士
- トラック運転など
現場で培った一次情報をもとに、「安全で失敗しない骨材選び」を発信しています。



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