前回、自宅の基礎コンクリートの強度を「21Nから27N」に上げた話を書きましたが、実はその打設当日、背筋が凍るようなトラブルが起きていました。
今回は、骨材屋の私だからこそ発覚し、そして回避できた「大手ハウスメーカーの下請け業者の実態」について、現場目線でお話しします。
これから家を建てる方、「大手だから安心」と思っていると、足元をすくわれるかもしれません。
打設当日、まさかの「生コン工場から出荷停止」業者
基礎工事のクライマックスである「コンクリート打設」の日。 私は仕事柄、鉄筋の状態や打設の様子が気になり、現場へ顔を出しました。
そこで、生コン工場の担当者から、衝撃の事実を告げられました。
「〇〇さん(私)の家だから今回は特別に出すけど、本当はこの基礎屋さん、ウチは『出荷停止(取引停止)』にしてるんだよ」
なぜ「出荷停止」になるのか?
一般の方には馴染みがないかもしれませんが、生コン工場が特定の建設業者を「取引停止」にするには、それなりの理由があります。
【よくある取引停止の理由】
- 支払いトラブル: 代金の支払いが遅れる、未払いがある。
- マナー・品質: 現場でのマナーが悪すぎる、無理な要求を繰り返す。
- トラブルメーカー: 過去に大きな揉め事を起こしている。
つまり、工場側が取引に慎重な判断をせざるを得ない業者と見なしているということです。
骨材業界で築いてきた信頼関係によって回避できた危機
なぜ今回、取引停止の業者なのに生コンが届いたのか?
それは紛れもなく、私が長年骨材を納入しており、工場と信頼関係があったからです。
担当者はこう言ってくれました。 「〇〇さんの大事な家だから、今回だけは特別に対応するよ」
もし私が一般の施主だったら、どうなっていたでしょうか?
- 当日コンクリートが届かず工事ストップ
- 遠くの質の悪い工場から高い運賃で運ばれてくる
- 最悪の場合、工期が大幅に遅れる
プロとしての「顔」が効いたおかげで事なきを得ましたが、冷や汗が出る思いでした。
県内トップクラスのメーカーでも「下請け」は選べない
私が選んだのは、県内でもトップクラスの実績と信頼を誇るハウスメーカーです。営業担当も設計担当も素晴らしい方々でした。
しかし、「現場で実際に作業する下請け業者(基礎屋)」の質までは、完璧にコントロールできていなかったのが現実です。
施主が知っておくべき業界構造の注意点
大手メーカーであっても、時期によって「いつもの良い業者」が埋まっていると、質の低い下請け業者に発注せざるを得ないケースがあります。
今回はたまたま私が現場に精通していたため発覚しましたが、多くの施主は「自分の家の基礎屋が、業界内では取引に慎重な判断が求められる業者だった」という事実を知らないまま、家が完成しているのかもしれません。
教訓:現場にはできるだけ顔を出そう
今回のトラブルから学んだ教訓は、「大手への信頼=現場の品質保証」ではないということです。
【これから家を建てる方へのアドバイス】
- 現場に顔を出す: 施主が見に来ていると分かれば、業者も緊張感を持って作業します。
- 違和感があればすぐにメーカーへ: 現場のマナーや雰囲気が悪い場合は、すぐに担当営業に相談しましょう。
※本記事は特定の企業や業者を批判する目的ではなく、家づくりにおける一般的な注意点を実体験として共有するものです。
まとめ
27Nへの強度変更で「物理的な耐久性」は上げられましたが、施工する「人の質」までは金銭だけでは解決できないと痛感しました。
家づくりは、契約して終わりではありません。 「現場を自分の目で確認すること」こそが、最大のリスクヘッジになると、身をもって学びました。
関連記事:基礎の生コン強度を21N→27Nにした結果と見積もりの罠|骨材屋の家づくり
筆者プロフィール
この記事を書いた人:骨材屋のまさ
- 骨材業界歴10年以上
- 砕石・砂利・砂の調達と品質管理担当
- 2級土木施工管理技士
- 外構工事、トラック運搬の実務経験
現場で培った一次情報をもとに、「安全で失敗しない骨材選び」を発信しています。



コメント