「庭の雑草を何とかしたい」「草むしりから解放されたい」。 こうした相談は、私たち骨材屋にもよく寄せられます。手軽な方法として「砂利敷き」を考える方が多いのも自然なことです。
しかし、最初にお伝えしておきたいのは、砂利だけで雑草を 完全にゼロにするのは難しい のが現実です。
ただし、正しい施工と条件が揃えば、手入れを大幅に減らすことは十分可能です。
そこでこの記事では、骨材業界に10年以上携わる私が、砂利だけでは防げない理由と、防草シートの正しい選び方を解説します。
さらに記事の後半では、「実は防草シートを使っていない私の自宅」の様子を初公開します。
- 「シートなし」で施工して5年後どうなったか?
- プロが実践する「雑草が生えない路盤」の作り方とは?
実際の写真付きで解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 砂利だけでは雑草を防げない理由
まず知ってほしいのは、砂利の役割が「完全な防草」ではないという点です。砂利には光を遮る効果がありますが、それだけで雑草を根絶することはできません。
1-1. 雑草が生えてくる3つのルート
雑草が生き残る理由には、次の3つがあります。
ルート1:土の中に残る種(休眠種)
以前に落ちた種が土の中に残っている場合、雨水を受けると発芽し、砂利の隙間から伸びてきます。
ルート2:飛んでくる種(最も多い)
風で運ばれた種が砂利の表面に落ち、ほこりや泥に混ざって発芽します。砂利の厚さに関係なく発生するため、特に住宅街や風通しの良い場所では頻度が高くなります。
ルート3:生命力が強い草が突き破る
スギナやチガヤなどは地域差がありますが、地盤が柔らかい場所ほど発生しやすい傾向があります。
1-2. 砂利の本来の役割
砂利には、次の2つの大切な役割があります。
- 雑草の成長を遅らせる(成長阻害)
- 防草シートを保護する(地面の保護)
つまり、砂利は「抑える力はあるが、止めきる力はない」というのが正確なところです。
2. 雑草を根本から抑えるための防草シートの選び方
長期間雑草を抑えるには、砂利よりも防草シートの質が重要です。しかし、価格だけでシートを選ぶと、数年後に後悔するケースが多くあります。
2-1. お勧めしない「織布タイプ」の特徴
安価な防草シートは、ほとんどが織布(クロス)タイプです。
織布タイプには次の弱点があります。
- 光が漏れやすく、雑草が育つ原因になる
- 紫外線に弱く、早いものだと数年でボロボロになる
- 破れた部分から雑草が一気に生え、その周辺だけ頻繁に草取りが必要になったり、結局シートを張り替えることになり、結果的にコストが高くなるケースが非常に多いです。
雑草が少ない場所なら使えないわけではありませんが、
長期間しっかり抑えたい方には不向きです。
2-2. プロが推奨する「不織布シート」のメリット
一方で、不織布タイプは繊維が密に重なっており、遮光性が高いのが特徴です。
- 光をほぼ通さず、雑草を根本から抑える
- 水は通すため、水はけが良い
- 摩耗や紫外線に強く、長期間使える
10年以上もつ製品もあり、結果としてコスパが良くなります。
2-3. シート選びで失敗しないための2つの基準
① 厚さ:0.4mm以上が目安
耐久性を重視したいなら、0.6mm以上のプロ仕様が安心です。
② 遮光率:99%以上
遮光率が高いほど雑草が育ちにくくなります。
※数値表示のない製品は、避けた方が無難です。
3. 雑草を抑えるための正しい施工方法
効果を最大限出すには、施工の手順が欠かせません。とくに、下準備が不十分だと雑草が再び生えてしまいます。
3-1. 施工前に必ずやること
まず、今生えている雑草を、根からしっかり取り除きます。
次に、地面を平らにならし、しっかり踏み固めてください。凹凸が残るとシートが浮き、雑草の隙間ができます。
3-2. シートの敷き方と固定のコツ
- シートは10cm以上重ねる
- 50cm間隔で専用ピンを打つ
- ピンの頭が見えないよう、砂利をしっかりかぶせる
これだけで耐久性が大きく変わります。
3-3. 骨材屋がすすめる砂利の厚さ
砂利は最低5cmの厚さが必要です。
薄いとシートが紫外線で傷んだり、踏まれて破れたりします。
また、丸い砂利より、角のある砕石の方がシートの保護に向いています。
安定しやすく、沈みにくいためです。
4. シートを使わない方法:強固な路盤で雑草を抑える
ここまで防草シートの話をしてきましたが、実は私の自宅の玄関周りではシートを使っていません。 理由は、クラッシャーランで強固な路盤を作ったためです。
私が実際に自宅で施工し、5年以上経過した様子を公開します。
1. 施工前:玄関まわりの状態(Before写真)

家が建つ前の玄関周りの様子です。冬に撮影しているので夏はもっと力強く生えていると思います。
2. 雑草の抜けやすさの確認


- 飛来した種による雑草しか生えません。根の長さは10㎝程度でした。
- クラッシャーランがカチカチに転圧されているため、根が深く張れません。そのため、力はほとんど要らず指で簡単に抜けます。 「砂利だけで雑草を抑える場合、この“抜けやすさ”が大きなポイントになります」。
3. 地面の状態チェック

見ずらいですが真ん中の周りと比べて大きく茶色っぽい石がクラッシャーランの砕石です。ここから下がクラッシャーランの層になります。
【私の施工レシピ】
| 工程 | 材料 | 厚さ |
| 下層(路盤材) | クラッシャーラン(C-40) | 15cm以上 |
| 上層(仕上げ材) | 6号砕石 | 10cm~15cm |
【重要:プロの施工ルール】 敷き均しの厚さは一層あたり15cm以下にしてください。厚すぎると、転圧機の力が下まで伝わらず、後で沈下する原因になります。30cm敷きたい場合は、15cm敷いて転圧→もう一度15cm敷いて転圧、と2回に分けましょう。
プロのアドバイス: 私は6号砕石を厚めに敷いていますが、車が乗り入れる場合は5cm程度にした方がタイヤが埋まらず良いと思います。また、歩きやすさを重視される方も5cm程度がおすすめです。
4. 実際に5年以上使ってみた感想
- メンテナンス: 2か月に1回くらい、気になった雑草を抜く程度です。
- 水はけ: 非常に良いです。
- 総評: 玄関前や家の周りはこの施工方法がおすすめです。
5. 結論:玄関周りは条件が合えば“砂利だけでいけるケースが多い”
今回、玄関周りは砂利だけで十分対応できました。 シートを使わない方が、将来的にリフォームしやすいというメリットもあります。 住んでいる場所によっては飛来する種が少なく、メンテナンスの頻度もさらに少なくなる場合もあると思います。
私は骨材屋だったためこの施工方法を選びましたが、とても正解でした。
| 工程 | 材 料 | 厚 さ |
| 路盤材 | クラッシャーラン | 15cm以上 |
| 仕上げ材 | 砕石または川砂利 | 5〜10cm |
クラッシャーランについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
5. 砂利・砕石の必要量を簡単に計算できます
最後に、施工を始める前に「必要な量」をきちんと把握しておくことが大切です。
当サイトでは、長さ・幅・厚さを入力するだけで必要な砂利量がわかるシミュレーターを公開しています。
路盤材と仕上げ材を分けて計算できるため、無駄なコストを抑えられます。
パソコンでご覧の場合は、右側のサイドバーに表示されています。
※スマホをご利用の方へ
砕石・砂利の価格シミュレーターは、ページ最下部(フッター)にあるサイドバー内に配置しています。
まとめ
一般的には、防草シートと砂利を組み合わせる方法がよく使われます。ただし、安価なシートでは数年後に張り替えが必要になり、手間やコストが増えるのも事実です。
一方で、強固に転圧した路盤は、交換の必要がほとんどありません。
最初にしっかり施工しておくことで、その後の10年以上の快適さが変わります。適切なシートや砕石を選び、正しい厚さで施工することで、庭の使いやすさと美しさが長く保たれます。
シミュレーターもぜひ活用して、必要な量を正確に準備してください。
筆者プロフィール
この記事を書いた人:骨材屋のまさ
骨材業界歴10年以上。砕石・砂利・砂などの骨材調達と品質管理を担当。
- 2級土木施工管理技士
- トラック運転
安全で適正な価格の「失敗しない骨材選び」を発信中。



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