🚚 骨材屋のひとりごと。山道の運転の極意|プロが教える安全走行テクニック

運搬・配達のコツ

※本記事の内容は、一般的な走行環境での安全運転の考え方や経験に基づく解説です。
道路交通法および地域の交通ルールを最優先とし、最終的な判断は運転者自身の安全確認に基づいて行ってください。

はじめに:骨材運搬のプロが使う、安全運転術

建設用骨材の運搬は、山間部の採石場や現場へ向かうことが日常です。重い骨材を積んだトラックで安全に山道を走るために培ってきた技術や判断力は、実はキャンプや紅葉狩りなどで山道を走る一般のドライバーの方々にも役立つ極意がたくさん詰まっています。

この記事では、骨材業界で10年以上山道を走ってきた私が、大型車の視点から見た山道の鉄則と、一般車でも応用できる安全走行のテクニックを、現場目線でわかりやすく紹介します。

1. カーブ・すれ違いの極意:対向車との駆け引きと「離合」の法則

山道での安全は、「相手の存在にどれだけ早く気付けるか」と「お互いが譲り合う判断」にかかっています。

プロの判断力に任せるという選択

大型トラックやダンプカーの運転手は、車のサイズ、慣れから、どの道幅であれば安全に離合(すれ違い)ができるかを瞬時に判断できます。(もちろん例外はありますが)

一般の乗用車が、無理に狭い場所で対向車を待つよりも、トラック運転手の判断に任せるのも一つの手です。プロは安全な場所で待つように誘導するか、スムーズにすれ違えるよう配慮します。

ただし、道路状況・車両特性によって最適な判断は異なります。最終的な判断は周囲の安全確認と交通ルールを優先してください。

とにかく早く気づく

対向車とのトラブルを避けるために最も重要なのは、「前からくる車にとにかく早く気付く」ことです。

  • カーブミラー: 奥だけでなく、映り方で対向車の速度や大きさを予測する。
  • 路面状況: カーブの先にある路面の濡れ方や泥の有無から、対向車の有無を推測する。
  • 遠くの景色: 木々の隙間から対向車のライトや色を早期に発見する。

離合個所を記憶しながら走行する

プロのドライバーは、安全な待避所や、少し道幅が広くなっている「離合個所」を記憶しながら走行しています。

対向車を発見したら、その離合個所の直前で待機することが基本です。特に自分が上り坂を走行している場合は、下り坂の車に道を譲る方が合理的です。

私が通った山道の離合個所の例です

前に車がいるときはチャンス

前に自分の仲間や、自分と同じ方向に向かう車がいるとき、離合のチャンスだと考えましょう。

前に車がいる状態で対向車とすれ違う際、相手は1台、こちらは2台(以上)となります。この場合、相手が譲ってくれる可能性が高く、自分がバックで下がる必要がなくなるというメリットがあります。

※もちろん、車間距離を十分に確保し、あおり運転にならないよう注意が必要です。


2. 未舗装路・急坂の鉄則:デフと一速でのぼる

※ここで紹介している内容の一部は、業務車両・大型車両での運搬経験を前提としたテクニックです。一般車両で無理に真似すると危険な場合があります。

骨材を積んだトラックは非常に重く、砂利道の急坂やぬかるんだ道ではタイヤが空転(スタック)しやすくなります。

デフロックと「一速でのぼる」

重い車が砂利道の急坂を上る場合、デフ(差動制限装置)をかけ、一速(ローギア)でのぼるのが鉄則です。

  • デフロック: 片側のタイヤが空転した際、もう片方のタイヤにも力を伝えることでスタックを防ぎ、登坂力を高めます。
  • 一速(ローギア): エンジンが生み出すトルク(回転力)を最大限に引き出し、力強く坂を登るためです。

応用:一般車にも共通する基本

一般の乗用車(特に四輪駆動車やマニュアル車)でも、雪道やぬかるみでスタックしそうになった場合、「最も低いギアで、アクセルを急に踏み込まずゆっくりと進む」という基本原則は共通しています。力任せにアクセルを踏むと、空転してかえって状況が悪化します。

【ぬかるみでの追加テクニック:ハンドル操作の鉄則】

私が現場でした経験から得た知恵です。

  1. ハンドルを切りすぎない
    • タイヤを大きく曲げた状態で無理に発進しようとすると、タイヤの側面が泥を掘る(横抵抗が増す)のを防ぎ、一気に地面を掘ってスタックします。
    • 車を極力まっすぐ(直進)に保つことで、タイヤの抵抗を最小限に抑え、前進する力を優先しましょう。
  2. 軌道維持を優先する
    • 駆動輪(後輪)はまっすぐ進むことだけを担い、操舵輪(前輪)もまっすぐ向いていることで、駆動力のすべてが前進方向に集中します。
    • 経験上、ハンドルを切りすぎると前輪の制御が効かなくなり、後輪の力だけが加わるため、曲がろうとしても意図した方向に曲がれない状態に陥ります。大回りをするイメージで曲がる方が良いです。
  3. 切り返しは最小限に
    • ぬかるみの中で何度も前進・後退を繰り返して切り返しを行うと、その度にタイヤが地面を掘り下げてしまい、かえって状況を悪化させます。

3. 下り坂の鉄則:ブレーキに頼らない減速術

重い荷物を積んでの下り坂は、ブレーキにとって最大の試練です。ブレーキを酷使すると、熱で効きが悪くなるフェード現象や、さらに進んだベーパーロック現象を引き起こし、非常に危険です。

※ただし、道路状況・車両特性・地域ルールによって最適な判断は異なります。最終的な判断は周囲の安全確認と交通ルールを優先してください。

エンジンブレーキを積極的に使う

フットブレーキの使用を最小限に抑えるため、プロはエンジンブレーキを積極的に使います。

車種テクニック
MT車
(トラック等)
坂を登るために使ったギア(例:二速)と同じギア、またはそれよりも低いギア(例:一速)を選び、エンジン回転の力を利用して速度を制御します。
AT車
(一般車)
オートマ車でも、Dレンジ(ドライブ)ではなく、S(セカンド)やL(ロー)レンジ、またはパドルシフトを使って、意識的にギアを落とし、エンジンブレーキを効かせましょう。

現場からひとこと:余裕を持った走行計画

山道の運転は、知識ももちろん重要ですが、最終的には「経験」と「心に余裕を持つこと」が命です。

レジャーで山道を走る際も、「急いで着くこと」よりも「安全に着くこと」を最優先にし、プロのドライバーの判断やスペース確保にご協力いただけると、誰もが安全に山道を利用できるようになります。

今日もどこかで、安全のために慎重な運転を続けているトラックが、あなたを支える骨材を運んでいます。この記事が、あなたの山道ドライブの安全に役立つことを願っています。

本記事は筆者の経験と一般的な知見に基づく内容であり、すべての走行条件や車両に当てはまるものではありません。道路状況・車両特性・天候・運転技術によって結果は異なります。安全運転と交通ルール遵守を最優先にしてください。

筆者プロフィール

この記事を書いた人:骨材屋のまさ

  • 骨材業界歴10年以上
  • 砕石・砂利・砂の調達と品質管理担当
  • 2級土木施工管理技士
  • トラック運転など

現場で培った一次情報をもとに、「安全で失敗しない骨材選び」を発信しています。

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